古来、五十崎は和紙の原料となる楮・三椏を多く産し、紙漉きの盛んな町でした。五十崎和紙の歴史は古く、確かな記録では、350年前から大洲藩の収入源として大いに振興しました。町を囲む山と、町を流れる川の恵みから生まれた手漉き和紙は、幾代もの人によって、その知恵と技が伝えられてきました。
ここでは、五十崎に伝わる「五十崎和紙」の製造過程を動画も合わせてご紹介します。
原料は楮(コウゾ)・三椏などを使用します。数日間水に浸した後、化成ソーダ等の薬品にて2~3時間煮沸します。※煮沸とは殺菌のことです。病原性や有害性を有する微生物を死滅させます。
繊維以外のゴミを除くために水洗いし、その後一週間ほど日にさらします。漂白後、再び水洗いします。
原料から不純物を取り除きます。人の目と手で3回繰り返します。
ちりとり後、束になった原料の繊維を漉き舟に投入します。摩り下ろしたトロロアオイを、繊維が沈まないよう、また水中で分散するように投入しかき混ぜます。
ヤマイモを強力にした様な粘性。水中で粘度が溶け、そのお陰で漉き上がったものを重ねることが出来るようになりました。
中腰で縦横に簾を揺らしながら漉きます。手作業ゆえに手が痛み、皮がはげやすくなったりと重労働。また常に冷水での作業が必須なので冬場は凍える作業となります。トロロアオイのお陰で重ねてもくっつきません。
漉き上がり、重ねられた和紙を一晩置いた後、水分を取り除き半分くらいにするために圧搾を行います。
一枚一枚はがし乾燥機にかけ乾燥させます。
一枚ずつ検査され選別されます。厳しい選別後、用途に合わせて裁断され、商品となります。
手漉き和紙風景 with ガボーファミリー at 天神産紙(内子町五十崎)